24歳の娘、結婚を控えて毎晩夜尿があります。

24歳の娘です。ほんとうに恥ずかしいことですが、夜尿が毎晩なのです。
2年ばかり前からつきあっていた男性と婚約して、2ヵ月後には挙式と
なっています。けれど今日まで夜尿のことを打ち明けることができずに
きてしまいました。娘はだんだん暗い表情になり、自殺を考えたりもして
いるようです。
相手の男性は明瞭な方ですが、こんなことのために破談となっては娘が
かわいそうで、ここまで放っておいたことをくやんでもくやみきれず、親の
方こそ娘にわびて死にたいくらいです。何とかこの母子を助けてください。

専門医をまじえて打ち明けては。

このような悩みのご相談は決して少なくありません。しかし、2ヵ月後の挙式であっては、それまでになおすことは奇跡でもおこらない限り不可能といってよいでしょう。このようなときは、相手の方にすべてをありのままにお話なさることが第一だと思います。
さて、打ち明けるにしても、将来の見通しや正しい夜尿についての知識、
あるいは必ずなおるといった科学的根拠がなければいけません。
わたしたちの夜尿外来では、医師が当人と相手の方をまじえて一緒に
お話するということもあります。この方の場合も、まず相手の方に本人が
率直に事実をありのままにお話するか、専門機関の先生の立会いのもとに将来の見通しなど具体的にお話してもらったほうがよいでしょう。
そしてその結果、不幸にして破談となれば、縁がなかったものとして、あきらめたほうがよいでしょう。というのは、夜尿といった生理的な欠陥くらいで破談となるくらいの浅い人間関係なら、将来ちょっとしたことでつまずくことにもなりかねないからです。実際には、相手の方に打ち明けて破談になったことは今までありませんでした。逆にどうして1人だけで苦しんでいたのかと責められることの方が多いようです。
また、夜尿症の薬物療法や点鼻療法は、いずれも胎児に対する安全性に
ついては、まだ充分に確認されていません。したがって、治療中はバースコントロール(避妊)についても協力しあわなければなりません。
また、相手の方の理解を得られることによって、本人の心理的ストレスも
かなり軽くなり、結果として夜尿の状態がよくなるという形となってあらわれます。かくすよりもオープンにして、しかも適切な科学的治療を受けることをおすすめします。必ずなおるので、専門機関でご相談ください。