夜尿症の重症度は、表4に示されるように、受診時(あるいは判定時)の年齢、夜尿の頻度、夜尿量
(衣類や寝具の濡れ具合)、がまん尿量(機能的膀胱容量)の4つの因子でスコアーを計算し、軽症、
中等症、重症に分類する。
重症度は、当然のことながら治療過程にともなって軽症化していくものである。
重症例については、あせらずに一歩一歩階段を登っていくつもりで支えていくことが望ましい。
とくに、昼間遺尿を伴い、しかも潜在性二分脊椎を伴う場合には、まずもって昼間遺尿に対する
治療を優先する必要がある。
また、夜尿時刻(頻度)によって、重症度は異なっていく。図3に示されるように、寝入りばなに夜尿を
している状態は、機能的膀胱容量が小さいか、あるいは夜間尿量が多い(両者を伴う場合もある)と
みて、まだ重症な段階にあると考える。
しかし、寝入りばなの夜尿が消失し、明け方だけの夜尿となれば、夜尿が続いているとしてもかなりの
改善をみていると考えてよい。そして、夜尿なしの日が出てくれば、あと一歩で自立するところまで
きていると判断してよい。このように、夜尿時刻や一晩の夜尿頻度でもって簡便に重症度が判断できる。


表4
<重症度の判定法>
    1 点 2 点 3 点
年 齢 6〜7歳 8〜10歳 11歳以降
夜尿の頻度 週に数回 毎晩1回 毎晩2回以上
夜尿量 少量(パンツのみ) 中等量(パジャマまで) 多量(シーツまで)
がまん
尿量
6〜9歳 151〜200ml 101〜150ml 100ml以下
10歳以上 201〜250ml 151〜200ml 150ml以下
上記の4項目について、各得点を合計した上で、下表で重症度の判定を行う。
がまん尿量が6〜9歳で201ml以上、10歳以上で251ml以上の場合は、その項目は0点と評価する。


軽症 中等症 重症
3〜6点 7〜9点 10〜12点



図3
<夜尿時間からみた重症度>
              


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