夜尿とは、夜間就眠中に不随意的に遺尿を生じ、衣類や寝具を湿潤させる状態をいうが、夜尿症の 定義としては、その状態が5〜6才を過ぎても引続きみられる場合をいう。 筆者らは、これまでの夜尿症に対する種々の臨床研究の結果、学童期にみられる夜尿は、主として 下垂体後葉機能など神経・内分泌系統の発達障害や遅熟性を基盤として、機能的膀胱容量の縮小や 冷え症状など膀胱機能や自律神経系の不安定さ、そしてストレスなどによる心身症メカニズムなどが 複合的に関与している「症候群」であると考えている。 夜尿症の病態生理からみた類型別分類を大別すると、多尿型、膀胱型、混合型に分類 されるが、それぞれに関与する病態の要約を図1に示す。 |
図1 <夜尿症の類型別分類> |