● おねしょのタイプ ● |
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おねしょには、多尿型(ぐっしょり型)、膀胱型(ちょぴり頻尿型)、 混合型といった三つのタイプがあります。 |
図 |
<各タイプをクリックすると説明部分にとびます> |
多尿型(ぐっしょり型) |
一晩の尿量は、ふつう200t以下なのですが、250t以上と多いタイプです。 一晩の尿量は、寝るときにおむつをして、朝のおむつの重さ(元の重さを引く)を測り、 それに朝一番の尿量をくわえたものとなります。 これが250t以上の場合が多尿型になります。こタイプのお子さんは、比較的 身長が低く、二次性徴(思春期の徴候)も遅れがちで、習慣的に水分をがぶ飲みして いることが目立ちます。 |
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膀胱型(ちょっぴり頻尿型) |
帰宅後、おしっこをぎりぎりまでがまんさせたときの尿量(機能的膀胱容量といいます) が、6〜7歳で150t以下、8〜9歳で200t以下、10歳以上で250t以下の場合を いいます。おしっこをためる力が弱いのが特徴です。 このタイプのお子さんは、日中もおしっこが近く、冷え症を伴っていることが多いようです。 また、日中,パンツにおしっこをちびってしまう昼間遺尿(尿失禁)を伴っていることもあります。 |
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解離型(かいりがた) |
解離型というのは、日中のがまん尿(機能的膀胱容量)が充分にためられるにもかかわらず、一晩の尿量が200cc以下であっても、寝てしまうと少量の尿がたまると勝手に膀胱が収縮して、夜尿をしてしまうタイプです。 難治性の夜尿症とされ、生活指導や薬物療法だけでは一向に改善しないのが特徴です。 干渉低周波による電気刺激療法(写真参照)や、夜尿アラームによる条件付け療法が効果的です。 |
ウロマスター(電極付) |
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混合型 |
夜間の尿量が250t以上と多く、加えて機能的膀胱容量が小さすぎる場合で、もっとも 重症なタイプといえます。 |
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● 病院での検査 ● 病院では、夜尿症の原因を究明するため、いくつかの検査を行います。 |
必ず行う検査 |
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尿 検 査 |
尿に蛋白や血液成分が含まれているかどうかをみます。 これは、膀胱炎や腎臓の病気があるかどうかをみるためです。 |
尿 浸 透 圧・ 尿 比 重 |
夜間の尿が薄いか濃いかをみるために、夜尿があった朝一番の尿で、 数日間尿浸透圧あるいは尿比重の検査を行います。 あるいは、夜中の2〜3時に起こして採尿し、帰宅後の尿と比較します。 この尿浸透圧あるいは尿比重の検査は、3日間行って、平均の尿浸透圧 あるいは尿比重をみて判断します。 |
血 液 検 査 |
治療前に、全身の健康状態を確認するために、血液検査で造血機能、肝臓、腎臓等の検査を行います。このデータは、薬物による治療中に念のための副作用をチェックする際の基準値となります。 |
尿 流 検 査 |
洋式トイレのときと同様に排尿して、尿流曲線や尿流速を分析し、不安定膀胱の有無をみます。 ウロジェット(尿流検査装置) |
残 尿 検 査 (超音波検査) |
膀胱に残尿(おしっこしたあとに膀胱に尿が残っているか)があるかどうか等を調べます。ブラダースキャンという簡便な検査法もあります。 ブラダースキャン |
必要に応じて行う検査 |
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レントゲン検査 |
夜間の尿量が多すぎ抗利尿ホルモンが少ない場合には、頭部のレントゲン(下垂体のあるトルコ鞍部)検査をします。昼間遺尿(昼間の尿失禁)がひどい場合は、腰部のレントゲン(腰椎から仙椎)検査を行い、潜在性二分脊椎となっているかどうか検査することがあります。 |
抗利尿ホルモン |
夜間の尿量が異常に多い場合は、血液中に抗利尿ホルモンがあるかどうかを調べることがあります。 |
脳波検査 | 過去に何回か熱性けいれんなどを生じたことがある場合には、 念のため脳波検査を行うことがあります。 |
心理検査 |
チックとか脱毛症や抜毛症、あるいは不登校など、心因が影響していると 思われる場合には、心理検査を行うこともあります。 |
腰 部 の CT・MRI 検査 |
潜在性二分脊椎があり、昼間遺尿(尿失禁)がひどい場合には、腰椎や 仙椎部のCT検査、二分脊椎を疑う場合にはMRI検査を行うことがあります。 |
頭 部 の MRI 検査 |
頭部のレントゲン検査や夜間の尿浸透圧のデータからみて、下垂体に病変があるのではないかと疑われる場合には、頭部のCTやMRI検査を行うことが あります。 |
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